妊婦さんは歯医者に行っても大丈夫?その①

2021.11.26
妊婦さんは歯医者に行っても大丈夫?その①

こんにちは、岐阜県大垣市今宿の歯医者、ハリヨ歯科の院長の長縄です。

今回のテーマは

”妊婦さんは歯医者にいっても大丈夫?

についてお話していきます。

妊婦さんになってみんなが少し悩む歯医者の受診について説明していきます。

よく妊婦さんからは麻酔のこと、レントゲンのこと、飲み薬のこと質問されることが多くあります。そこで今回は、この3点について説明していきますね。

まずは、麻酔についてです。なんとなく、妊娠中になると歯医者にいって麻酔をしても良いのか心配になりますよね。

歯科医院で使用する麻酔は、リドカインと言われているのもです。

リドカイン自体は、無痛分娩や帝王切開でも使われるもので、妊娠全週で問題なく使用できます。通常量をつかっても問題ありませんので妊娠中でも安心して麻酔は受けていただけます。

次に、歯科用レントゲンはどうでしょうか?

そもそも、歯医者で最初に受診した時に、痛みなどの症状もないのになんでレントゲンを撮るのだろうと思ったことはありませんか?

歯医者が診る病気はズキズキするようになったむし歯だけではありません。

歯周病をご存知ですか?私は歯周病ではないから大丈夫と思っている方でも、実は歯周病かもしれません。そもそも、成人の8割は歯周病になっていると言われており初期の歯周病は痛みを伴いにくく、気づいたら歯を支えている骨が溶けていいることがあります。これらは、レントゲンを通してではないと今の骨の状態はわかりません。

また、神経のない歯がむし歯なってしまっても、痛みを感じないために気づいたら大きな虫歯になっていることもあります。そのため、歯科医院では、痛みなどの症状がなくても1年に一回ほどレントゲンを撮影し、外からは見えない骨の状態や、歯の状態をチェックするために撮影を行っています。

話を戻して、歯科のレントゲンについてお話します。

よく、レントゲンを撮る際に患者さんから言われるのは、放射線の被曝についてです。

福島の原発事故が合ったから、より被爆について気にされている方が多くなったような気がします。

まずは、胎児への影響が考えられる被曝量はいくつか。

50mSv未満は胎児への影響と被曝量との関係は認められていません。

では、被爆に関連される放射線量は一体どれくらいなのでしょうか?

まず、一般的に生活されていても放射線を被爆することはご存知ですか?宇宙や空気、大地、食べ物から受ける放射線量です。

1年でおおよそ約2.1mSv。

東京ーニューヨークを飛行機で一往復 0.2mSv

集団検診で行われる、胸のレントゲン写真:約0.5mSv

病院で受けるCT検査 5〜30mSv

では、歯医者で行う顎全体のレントゲン検査の被曝量はいくらでしょうか。

実は、胸のレントゲンの1/50の0.01mSv

→日本に生活している人が一年間に浴びる放射線量の1/210

さらに、歯をピンポイントで取る小さなレントゲンは0.008mSvと極々、微量です。

→日本に生活している人が一年間に浴びる放射線量の1/262

さらに、鉛のエプロンを着て撮影するために、ほとんど歯科医院で撮影するレントゲンは母子共に影響となることはほとんどありません。

レントゲンの撮影に関しては、主治医の歯科医師と相談のうえ受けられたらよいかと思います。

幼児の自分歯磨きに潜む危険

2021.11.23
幼児の自分歯磨きに潜む危険

こんにちは、岐阜県大垣市今宿の歯医者、ハリヨ歯科の院長の長縄です。

今回のテーマは

幼児の自分磨きに潜む危険に付いてです。

皆さんのお子さんはいつから自分で歯を磨くようにしていますか?

その際に注意していることはありますか?

小さいお子さんの歯磨きををする際に、成長と共に、徐々に自分で歯ブラシを使って歯を磨きたがることが増えていきます。

歯磨きをならすために、1歳頃からでも見様見真似で自分で歯ブラシを持ちたがることも増えてきますよね。

そこでの注意点が、歯ブラシによる事故です。

以下の図は消費者庁のHPより引用させて頂きました。

実は、歯ブラシによる事故の一番多い時期は1歳の時期です。

表から見てもわかるように1〜3歳が特に多いことがわかります。

さらに、その多くは、歯ブラシをくわえたまま歩き転倒することなどが原因です。

私は、ハリヨ歯科を開業する前までは、市中病院の口腔外科で勤務をしていました。その中でも、歯ブラシの転倒による、口腔内損傷を数例診たことがあります。

その際も多くは低年齢児、親が目を話したすきに、転倒し受傷しておりこの報告の通りでした。

歯ブラシを咥えたまま転倒することで、歯ブラシは喉の奥に突き刺さり、場合によっては首の血管を損傷することすら考えられますし、そのような報告を学会で聞いたこともあります。そのため、我が家では、歯ブラシを咥えながら歩くことを子供には厳しく指導しています。それくらい、一瞬の出来事で大事にもなってしまう事象なのです。

事故が起こっても、怪我を生じないことや、幸いに軽いけがで済んでしまうことも多いのですが、報告としては、検査後に、喉に管を通して集中治療室に1週間入院しているものや、歯ブラシが刺さったまま抜けなくなって救急搬送され、入院を余儀なくされている報告もあります。

保護者の皆さんに注意してほしいことは

歯磨き中は、保護者がそばで見守り、床に座らせて歯磨きをさせましょう。

子どもが、歯ブラシを口に入れたり、手に持ったりしたまま歩き回ると、 転倒してけがをする危険があります。

不安定な場所での歯磨きはやめましょう。

子ども用歯ブラシは、喉突き防止対 策を施したものを選びましょう。

特に小さいお子さん(1〜3歳)では、保護者が仕上 げ磨きをする歯ブラシと使い分けを しましょう。

歯磨きは歯を守るため、体の健康を守るためには非常に重要な行為です。

歯磨きの正しい方法、道具を選びなどを、歯科医院で適切な指導を受けることで安全な時間にして頂ければなと思います。

なにかわからないことがあれば、いつでもお声がけ下さい。

 

飲み物で歯が溶けるってほんと?

2021.11.14

こんにちは、岐阜県大垣市今宿の歯医者、ハリヨ歯科の院長の長縄です。

本日のテーマは、飲み物で歯が溶けるのかという疑問に付いてお答えします。

我々が小さいときは、炭酸飲料を飲みすぎると、骨が溶けるよってよく言われたものです。

そんな、ことは無いと思いながら、まことしやかにささやかれていましたが・・。

「炭酸飲料を飲むとカルシウム(骨)が溶ける」という話は、無果汁加糖炭酸飲料に含まれるリンが体内のカルシウムとくっついて、リン酸カルシウムという形になって体外に出ていってしまうことがあるからです。無糖の場合は問題ありません、等が入っていると少し問題になるみたいです。

では、歯についてはどうでしょうか?

歯は酸性の食べ物や飲み物を飲むことで溶けてしまいます。このことを、歯科業界では酸蝕症と読んでいます。

読んで如く

歯が酸の強いものを食べて蝕まれた状態のことです。

酸性の食べ物、飲み物としてパッと思い浮かぶものはありますか?

黒酢や、レモン、もずく酢などを思い浮かべますかね?
通常はお口の中はpH7で中性で、歯のエナメル質はpH5.5以下になると溶け始めます。そのため酸性度の高い食べ物や飲み物を飲み続けると、歯が溶けてしまうのです。

食べ物と飲み物のpHを見ていきましょう。

pH2

レモン(2.3) コーラ(2.7)

pH3

  ワイン(3.2) エナジードリンク(3.9) スポーツドリンク(3.5)

pH4

 グミ(4.0) ヨーグルト(4.6) オレンジ(4.3)

pH5

 炭酸水(5.6)

pH6

 コーヒー(6.0)

pH7

 水(7.4)  お茶(6.9)

どうでしたか?

普段、習慣的に摂取しているものはありましたか?

これらの、酸性度が高い飲み物を飲むとすぐに、歯の周りのpHは歯が溶けるレベルまで下がります。

通常、酸性の飲料は酸味があるため唾液の量が⬆

唾液がたくさん出て、唾液が届く部分では6分ほどで元の状態に戻ります。

そのため、唾液が届きにくい部分

被せ物の下や、上の前歯などが特に要注意です。

また、ここに砂糖が含まれていると、更にpHが下がってしまうのでより注意が必要になります。

更に、酸性度が高いペットボトルなどの飲み物をちびちび飲むのは歯が溶けることに関しても、むし歯になりやすさにおいても非常に危険です。

体に良いと思って、毎日過剰に酢を飲まれている方や、イソジンで頻繁にうがいをしている方の中では、歯が著しく溶けてしまっている方をたまに診ることがあります。

私の経験でも歯がツルツルに溶けている状態の方を見た方で、問診をしてみたら、糖質0のコーラーの1.5Lペットボトルを毎日何本も摂取していたり、一日にダンボール一箱食べているかたを診たことがあります。

みなさんも日頃の食習慣を見直してみませんか?

気になることがある方は、是非、歯科医院に受診してみて下さい。

参考資料:カリエスブック 著 伊藤 直人 医歯薬出版

ご飯の時にテーブルに飲み物をおいていませんか?

2021.11.10
ご飯の時にテーブルに飲み物をおいていませんか?

こんにちは、岐阜県大垣市今宿の歯医者、ハリヨ歯科の院長の長縄です。

今回のテーマは

”ご飯の時にテーブルに飲み物をおいていませんか”

です。

ん?何がいけないのと思っているあなた。知らず知らずのうちに歯科的なダメ行為を行っているかもしれません。

特に小さなお子さんを子育て中の方に必見です。

では、今一度、いつもの食卓風景を想像してみてください。

今の時代当たり前のようにご飯のときにはセットでお茶や牛乳、お水などがテーブルに置かれています。自分たちが小さい頃はどうだったでしょうか?思い出してみてください。

思い出せない人のために、サザエさんの食卓を見てください。なんと、ご飯の際にテーブルにお水やお茶は置かれていません。

食事が終わった後に、みんなでお茶を飲みながら話している場面がみてとれます。

昭和の時代はそれが普通でした。それがいつからか、ご飯の時にテーブルに飲み物が登場することが当たり前な時代になっているのです。

その一つの要因に、今は、外食をするのが日常になって来ています。歩いて行ける距離には何件もご飯屋さんがありますよね。

ごはん屋さんに行くと、まず出てくるのは何でしょうか?

お水やお茶が出てきますよね。いつしかそれが当たり前の光景になり、自宅でも同じように、ご飯には飲み物がセットになってきているのです。

では、なぜ、飲み物を一緒に出してはいけないのか、わかりますか?

答えは簡単、お口の中が食べ物がいっぱいになったら、噛まずに水と一緒に流し込んでしまうのです。噛む回数は激減!!

そもそも、顎は噛むことによる刺激で発達していきます。そのために、あまり噛まない子供の顎は成長が乏しく、小さく育ってしまいます。

ここで問題となるのが、顎は小さくなっても、歯の大きさは変わらないということ。顎が小さくなったのに、歯の大きさが変わらなければ何が起こるでしょうか?

例えとしたら、電車の長椅子に5人で座れるスペースに6人が座ろうと思うとどうなりますか。キツキツでうまく座れないかもしれません、座るスペースが無くて外に押し出されてしまうかもしれません。

歯も同じ、顎が小さければ歯が並ぶスペースが無くなり、ガタガタな歯並びになってしまいます。

そのため、小さいときから、よく噛み、顎を育てていく必要があるのです。昔と比べ、食事も和食から欧米食に変化しています。和食と、欧米食の違いはなんだと思いますか?特に欧米食は柔らかい食べ物が多いですよね。ハンバーガーや、ハンバーグ、パンやパスタなど。和食に比べて噛みごたえがないものが多く、普段意識していないと噛む回数がどんどん減っていきます。それに合わせて、お水の登場。

もう、ほとんど噛まなくて良い食事ばっかりになってしまいます。

普段当たり前だと思っていることが、実は、間違いかもしれないと注意深く考えることも必要なのかもしれませんね。

お子さんの顎をすくすくと成長させるためにも、テーブルにお水を置くのはやめましょう!

お菓子やジューズの後にうがいをすれば大丈夫は、ほんと!?うそ!?

2021.11.06

こんにちは、岐阜県大垣市今宿の歯医者、ハリヨ歯科院長の長縄です。

今回のテーマは

”お菓子やジューズの後にうがいをすれば大丈夫は、ほんと!?うそ!?”

についてお話していきます。

ジュースや、アメを舐めてもすぐにうがいをすればむし歯にならないって聞いたことありますか?巷で聞く、まことしやかに囁かれているこのお話を本日は検証していきます。

まず、最初に結論から言いますと、答えは、ある一定の条件をクリアーすれば本当ですが、それをクリアーするためには至難の技。なので、現実的には嘘ということになります。

ある実験をご紹介します。

その実験は、うがいによる口腔内のpHの変化調べてみました。

まず、この口腔内のpHというのは、何かわかりますか?

これはお口の中が酸性にあるのかアルカリ性にあるのかを見るものです。基本的には、お口の中は、何もしていなければ中性にあります。

食事をしたり、お菓子を食べたりすると、その中の砂糖を細菌が食べることで酸性に傾きます。歯は酸性にあるときに歯の成分が溶け出すことでむし歯になりやすくなるのです。

その後、人の唾液の力で酸性に傾いたpHは中性に戻ろうとします。

その中性に戻ろうとする力を緩衝能と呼ぶのですが、多くは30分くらいで元の状態に戻ることがわかっています。しかし、個人差があるため、この緩衝能の力が弱い人はなかなか元に戻らないためにむし歯になりやすくなります。

一度酸性になった、状態でうがいをしたら、早く元に戻りそうですが、実はそうでも無いんです。

実験では、歯磨きが不十分な状態で、3%スクロース液(砂糖)を洗口してpHを下げてから、水で10秒間のブクブクうがいを10秒〜60秒ごとに繰り返しました。

その結果。pHが中性に戻るまでに、平均して15回も洗口しなければなりませんでした。

甘いものを摂取する度に10秒間のブクブクうがいを15回行うのはあまりにも現実的ではありませんね。

そのため、本日の答えは

ある一定の条件をクリアーすれば本当ですが、それをクリアーするためには至難の技。なので、現実的には難しいということになります。

また、それでも食べたいときのPointは

ダラダラ食べない、ダラダラ飲まない!特にペットボトルは蓋を閉めることができるのでちょびちょび飲んでしまいます。

先程も記載したように、食事後に30分経たないと、お口の中のpHが元には戻らないために,

30分毎にチョロチョロ間食をとると、ずっと歯はむし歯の影響を受けることとなり、むし歯になってしまうのです。

極端な話をすれば、一度に大量にお菓子を食べるのと、チョロチョロ食べ続けるのでは、むし歯のみをターゲットにしたならば、一度にたくさんのお菓子を食べた方がむし歯になりにくくなります。

そういったことを意識しながら上手にお菓子を食べれると良いと思います。

歯磨きは一日何回磨いたらいいの?

2021.11.01
歯磨きは一日何回磨いたらいいの?

こんにちは、岐阜県大垣市今宿の歯医者、ハリヨ歯科の院長の長縄です。

今回のテーマは

歯磨きは一日に何回磨けば良いのか?

についてお話していきます。

皆さんは一日何回歯磨きされていますか?

多くの方は2〜3回磨かれていることが多いのではないでしょうか?

実際に平成28年の厚生労働省、歯科疾患実態調査の結果では一番多いのが1日2回で49.8%と概ね半分のかたが1日2回歯を磨いているという結果でした。ついで多いのが1日3回以上で27.3%、一回は18.3%という結果でした。

では、磨く回数の違いと、むし歯の出来やすさに差はあるのでしょうか?ある研究では、1日1回磨くのと、2回磨くのでは、2回以上磨いたほうがむし歯の発生リスクを下げることが出来るとの結果が出ました。

2回と3回では、そこまで調べられた研究がないためそちらは不明でいした。

そのため、1日1回磨くよりは2回磨くことをお勧めします。

また、歯を磨く時間に付いてもポイントがあります。

1日のうちで歯を磨く時間としてはいつが一番有効か。

いつ磨いても一緒じゃないのと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、実は、ポイントがあるんです。

皆さんはいつが良いと思いますか?

朝?昼?夜?

 

正解は夜寝る前です。

なぜ夜が良いかというと、夜寝ているときは、唾液の量が減少します。そのためお口の中が乾燥するのです。

みなさんも朝起きたときに口が乾燥すると感じたことはありませんか?

口の中が乾燥すると、口腔内の細菌が繁殖してしまいます。

そのため、お口の中で菌が一番多い時間帯は朝起きたときになります。だったら朝磨くのが一番じゃないのと感じるかもしれませんが、夜寝る前に、しっかり歯を磨くことにより、お口の中の細菌数を極力少なくする事が大事です。細菌が増えれば、お口のかなで悪さもするのでむし歯や歯周病が進行してしまったり、年配の方では誤嚥性肺炎の原因にもなっていまします。

そのため、はみがきで 一番時間をかけて入念に行うのは夜寝る前がよろしいかと思います。

先程も言ったように、朝に細菌が最も繁殖しているために、朝起きてから磨いて置くのも良いと思います。

歯磨きについては、毎日やっており、習慣となっている方が多いと思います。一度は歯科医院で、歯磨き指導を受けたこともあるかと思います。

歯磨きで大事なのは、磨いていると、磨けているとは大きく違うということ。自分では、磨けていいると思っていても、歯科医院で磨き残しの染め出しを行うと、思った以上に染め出されてしまう経験をした事がある人も多いのではないでしょうか?

一度、歯磨きチェックを歯科医院でしてもらいましょう。